氷上の追憶2018 VOL.5 #91 浅沼智幸

都立国立 DF#91 浅沼智幸


 

昨年の年始の決意で「自分のやりたいプレーをすることがチームの勝利に直接的に貢献することになるような選手となる。」ことを目標に掲げた。最上級生としてチーム全体のことを考えなければならなくなるが、そのことにとらわれすぎて自分のプレーを見失うことのないような一年にしなければならないと考えた。

 

 
 
 
結論から言えば自分のやりたいプレーのうち、それまで得意だったプレーの延長上にあるプレーはある程度実現できたが、得意でなかったプレーを実現することはできなかった。読みと出足の早さが自分としては武器だと考えており、それを活かした早いプレッシャー、早い攻守の切り替えという点においては最後の一年においても成長を実感することはできたが、二次攻撃でも活躍できるディフェンスになるという目標は達成することができず、最後の一年の公式戦では無得点、ポイントに1回絡めたかどうかという結果に終わった。得意なことが上達し、そうではないものは上達しなかったというありきたりな結果に終わったが、この結果をどのようにとらえたらよいだろうか。得意なことは放っておいても上達すると考えればこの結果はだらだら部活を続けていれば当然の結果なのだろう。では私は一年の春に新歓イベントとして参加したアイスホッケーが楽しかったから入部してそのまま惰性で4年間続けてきただけなのだろうか、それとも惰性で続けてきた以上のことをできたのだろうか。この四年間アイスホッケーを続けてきたことで何か得られたのだろうか。
 
少なくとも自己評価が上がったということはこの四年間における自分の中での大きな成長だと考える。高校時代はサッカー部で試合に出してもらえたこともあったが、自分はチーム戦術における最低限度の約束事はこなせるだけの選手だった。一時期試合に出ることはあっても、武器を持ったほかの選手が最低限度の約束事をプレーに移せるようになった時点でポジションを明け渡す代替品でしかなかった。そのことを考えれば、アイスホッケーを続けてきた結果、ほかの人がそれを武器と思ってくれるかはわからないが、自分の中で自分の武器を見つけたことは自己評価の面において大きな成長といえるだろう。武器を見つけて自分の中で完結するだけでなく、チームメイトやこの追憶の中で堂々と自分の武器が何かを発信できるようになるとは、高校時代の私からは考えられなかったことである。自己評価が上がった結果としてチームメイトに対するプレーの要求が昨年までと比べて増えたように、振り返ってみると感じる。
 
自己評価の向上の原因は、練習ごとの自分の良かったプレーやほんの小さな成長を見つけて振り返ることを徹底したことだと考える。得点に絡んだプレーはもちろん、イメージ通りに出せたパス、前回よりもスピードを維持したままできたエッジワークなど、ほかの人から見たらなぜそんな部分を見るのだろうと思うようなシーンを何度も繰り返し見ていた。誰かにアドバイスをするときに一番簡単なことはミスを指摘することだと思う。チーム戦術における最低限度の約束事と照らし合わせて欠けている部分があるかを確認するだけで済むことであり、ほかの選手はできることであり、改善すればチームにとってプラスになることは明らかであるから当然である。実際高校時代は監督から、この部に入ってからは主として先輩からミスを指摘してもらえることはたくさんあった。三年まではその指摘に従って欠点を減らすことにしか目が向かなかった。四年となってほかの人からアドバイスを受ける機会が減った結果として自分のプレーにこれまで以上に関心を持つようになったことが結果として自己評価の向上につながったと考える。今後の人生においても自分の些細な成長を自分で見つけることを続けていきたい。
 
 
 
 
 
自己評価の向上に伴って自分の得意なプレーがはっきりしたこと、その部分の成長が見られたことはよかったが、得意でないプレーは成長が見られなかった。この原因は得意でないプレーに関して目標と現状の過程のイメージが全く湧かなかったことだと考える。二次攻撃で得点に絡みたいとは思い続けていたし、理想とするプレーのイメージも持っていた。しかし、現状との差が大きすぎてその過程として、理想とは異なるが少し良いプレーというものを深くは考えてこなかった。少し良いプレーは練習の中であったかもしれないが、どれが少し良いプレーなのかという評価基準を持っていなかった結果、得意でないプレーの成長は見られなかったと感じる。理想を持つだけでなく、理想への過程を明確にイメージしなければいつまでたっても自分の強みのみに縛られてしまうということに対して危機感を強く持つ必要があると、今になって感じるようになった。
 
最後に、四年にもかかわらずここまで自分のことに目を向けることができたのは、チームのことを第一に考えてくれた清水、大西、佐藤、櫻井を中心とした同期のおかげである。同期の追憶を読むと自分の小ささを痛感することになるだろうと思うと恐怖すら感じるが、そんな自分を同期として認めて四年間も関わってくれたことに感謝しかない。本当にありがとう。また、家族、後輩、OBの皆様、中島コーチをはじめとする、四年間アイスホッケーをする環境を支えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
 
 

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