氷上の追憶2018 VOL.3 #90 久禮達也

東大寺学園 DF#90 久禮達也


 

大学に入って右も左もわからないときに、当時4年生だった方に新歓されて氷に連れていかれたのが始まりでした。そこでその先輩に見事にのせられ、当時の主将の方の「入部して後悔はさせない」と自信たっぷりに言ってのける姿に感銘を受けたことも相まって勢いで入部しました。

 

 

一年生の時は部活が、というより練習時間帯がほんとうにつらくて(結局四年間つらいままでしたが)ついていくのに精一杯でしたが、同時にどんどんこの競技が楽しくなっていきました。

二年生になると新年早々当時の主将に狂ったように走らされ、初めて氷の練習が全然楽しくないと思わされました。それでもどんどんうまくなっていくのが実感できたときが嬉しくて夢中になって練習していました。そして大事な秋大会の初戦で起用され、その試合で盛大にやらかし、その後試合に出場することはできませんでした。しかし完全に自分が招いたことなのでそんなに落ち込むこともなく、試合に出ている同期に追いつこうとむしろ高いモチベーションで練習に打ち込みました。

三年生では自分のプレーの幅が広がっていくことに喜んでいた一方で、試合に出た時を考えてミスしないようにということばかり考え、気が付けば息苦しさを感じながら氷に乗っていました。そして性懲りもなく秋大会の一発目で思うようなプレーができず、その後はちょくちょく試合に出させていただけたものの思い描いていた自分とのギャップに憤りを感じ、初めて練習が楽しくなくなっていきました。

そして今年。決意に書いたように心の底から楽しむという初心に帰って駆け抜けてきました。去年同様ミスを恐れてしまうこともありましたし、上手くなっている気がしないときもあり、やきもきすることも多かったですが周りに助けられながら沈み込んでしまうことなくやり切れました。しかし現実は残酷なものでチームとしては勝負所(日医戦や学習戦)で勝ちきれず、そこで何もできない自分に悔しくやるせない思いをしました。今年掲げた目標が達成できず不甲斐ない結果に終わってしまったことは他の人たちが振り返ってくれると思うのでこれ以上は割愛します。

 

(落ちそうになるマウスピースを必死で口に入れてる様子。今これと別れられる喜びを噛み締めています。)

 

手短に四年間を振り返ってみるとこんな感じです。

他にも初めて自分のスケート靴を買った時の何とも言えない興奮や同期の同じポジションの一番うまいやつには結局どの技術をとっても上回ることができなかった(尚且つ彼の追憶を読む限り、全てのプロセスが甘かったことへの)悔しさ、初めて公式戦で点を取った時の喜び、一致団結することの難しさ、個人とチームのために氷上外でもっと時間を費やせていたらという後悔など振り返ればいろいろありますが、書き始めたらキリがないのでこの辺にしておきます。

この部活で最高だったとか他の団体に入ればよかったとかは正直わからないです。体は一つしかないし、パラレルワールドでもないので、ほかの選択肢を選んでいた自分とは比較できないと思うので。

しかし、この部活で得たものはあるといえるようになりました。

 

 

一つ目。

この四年間で初めて自分と長時間向き合いました。(一人暮らしをはじめたのがよかったのでしょうか。)冷静に自分の状態と向き合えました。思考を思考しながら、自分に対する気づきの連続でした。意外と負けず嫌いなこと、意外と諦めが早いこと。なるほどこういう時に自分はイライラするのか、こういう時にうれしいと思うのか。競技として楽しいという理由で入ったこの団体にこんなに思い入れがあるのか。

自分がどんな人間か、様々な面から気づかされました。

二つ目。

この部活で色んな人と出会い、色んな意見をいただいてきました。その中で、自分の考え方の幹になるもの、大げさに言うと哲学みたいなものが変容していきながらも出来上がっていきました。昔はたいして自分の意見みたいなものが持てなかったのですが、明確に自分の考えを持つ・意識することができるようになったと思います。

 芯は脆すぎてもすぐ折れるし、硬すぎても強い衝撃を食らったときにポキット折れて、直すのにも時間がいります。他人の意見に左右されるわけでも頑固に耳を傾けないわけでもなく、いい塩梅で受け止める。しなやかで折れにくい芯。そんなものを持てたような気がしました

あなたはいろんなことを犠牲にしてまでなぜ・何のために部活をしているの。そんな問への自分なりの答えが少し見えた、見出せたような気がします。

実のない話だと思われるかもしれませんが、これが私にとってこの四年間での収穫です。

今後自分で改めてこの文章を読むかもしれないので、その時の自分に向けて。

なんでこんなことをしているんだろうと思い悩むこともあるでしょう。なぜを突き詰めていってもどこかで行き詰って答えられない問に行きついてしまいます。なぜを問い詰めても答えなんて出ないので、小さなことから発現する感情を大切にしましょう。楽しいからやるとかそういうシンプルな感情で動いていいと思います。

さんざん「なんでそんな頑張っているの」だの「なんで部活なんかしてるの」だの聞かれながらやり抜いたことを忘れないでください。全く無意味なことなんてありません。どんなことにも意味を付与できるのは自分しかいないので。

 

 

最後に。

先ほど、入部するという選択肢で良かったのかはわからないと書きましたがこれだけは言えます。後悔はしていません。入部のきっかけとなったあの先輩の言葉は本当でした。

今後ふとした瞬間に思い出す、そんな時を過ごせました。

 こんな時間を、こんな経験を支えてくれた両親を含めすべての人に感謝してもしきれません。ありがとうございました。(そしていじってしまったすべての人たちに謝罪します…。)

 今後のこの部活の発展を祈りつつ終わりとさせていただきます。

 

久禮

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