【氷上の追憶2020 VOL.1】小笠原れい

学芸大学附属国際 FW #2 小笠原れい
Alternate Captain


謹んで新春をお祝い申し上げます。
旧年中は皆様に大変お世話になり、誠にありがとうございました。
小笠原れいでございます。さて、今年も氷上の追憶の季節がやってきました。
文章下手な僕がトップバッターというセンスを疑わざるを得ないラインアップですが、9名全員の追憶を読んでいただけますと幸いでございます。
普段より思ったことを包み隠さず周りに開示しているタイプだと思っていますが、最近小笠原れいと話していない方や、小笠原れいを知らない方には新鮮な文章となっているはずです。
僕のことを知ったつもりでこの文章で新しい発見が出てきたら、残念ながら、それは僕とのコミュニケーションが足りていません。僕にLINEしてください。
それでは僕の追憶をご覧ください!楽しそうだから、先輩がかっこよく見えたからという浅はかな理由で、新歓にもまともにいかずに、四年間のコミットメントをあっさり決め、僕のアイスホッケー部の生活は始まった。
今でこそ、理由はなんであれ、その選択をした自分にすごく感謝しているが、わざわざ東京大学に入ってまでアイスホッケーに打ち込んでどうなるのか。アイスホッケーがうまくいかないたびによく考えていた。

僕自身、この部活を通して大きく変わったと感じている。
辛いことに対しては根性論でしか対処してこなかった自分に新たな思考法を与えてくれた。延々と考えてる先輩たちの背中をみて、自分も少しは考えて部活に向き合ってみようと思えた。
それが徐々に部活のために考えてみよう。どのような組織にしたいかを考えてみよう。価値のあるチームになるためにこんなことをしてみよう、と組織のために行動するようになっていった。
すべて先輩の真似をして、大層なことはできていないが、四年前の自分であったら考えもしないようなことばかりだ。
そして僕の目からみた東大アイスホッケー部は今以上に、雰囲気、バランス、人間関係全てを含め、「価値あるチーム」であったことはないように感じる。
しかし、こんなことができたのも考えるきっかけを与えてくれたり、考えている背中を見せてくれた先輩方がいらっしゃったからだ。

僕は、アイスホッケー部で学べる数多くのことの中でアイスホッケーのスキルが一番重要でないと思っている。もちろんアイスホッケーが好きで、向上心は前提にあるのだが、プロになるわけでもない僕たちにとって大切な部分は個人や組織の成長の過程で得られるもっと抽象的な能力だと思う。
何も考えず、自分の満足を最優先にして生きていた18歳の自分にとって、アイスホッケー部の先輩方が考える姿から吸収できるものは限りなく多かった。スケートの上達ひとつとっても、目的意識、目標の細分化、分析方法、一つ一つの完成度のレベルが高く、一緒に部活にいるだけで能力が釣り上げられるような気までした。
そして、先輩の見様見真似をしていたら、3年に上がるにつれ徐々にアイスホッケー部という組織自体にも目を向けられるようになっていった。しかし、組織の崩壊というのは残酷なほど一瞬でむかえてしまう。
やっとホッケーも上達し、試合にも出られると思った時、公式戦辞退、活動停止。絶望の果てに落とされた。
それでも考えることはやめなかった。むしろ、以前以上に考え、組織を一から作るような思いでミーティングを重ね、議論を続けた。
個人レベルでも組織レベルでも、この時期にこの部活にいたから学べたことが無限にあったように思える。
思いつくような問題は四年間で全て経験したようにも感じる。
そして今後も何かに直面した際にアイスホッケー部で経験したことを思い出すのだろう。その度にアイスホッケー部に入ってよかったと思うのだろう。

最後の一年に関しては、ホッケースキル的には満足いくレベルまで上達しなかったのは確かである。ただ、悔いはあまりない。なんせ引退したら自分がどれだけ上手でも部には還元できない。しかし、もっと後輩の成長のサポートをしていたらよかったと思うことは度々ある。
自分のホッケースキルを伸ばすより、自分が先輩にしてもらったみたいに、後輩に考えるきっかけを与えてあげたい。
愛してやまない後輩のみんなにアイスホッケーの枠を超える何かを与えてあげたい。
もっと誰かにとっての大西さん、誰かにとっての竹村さんになってあげたい。とずっと思っていた。そんな矢先に迎えた最後の秋大会と京大戦。結果は全勝。気持ちよく終われすぎた。どの試合も終始楽しかったし、こんな経験をさせてくれた後輩に頭が上がらない。後輩に、後輩に、と思っていたら逆に助けられていた。こういう引退をさせてくれて本当にありがとう。

そして、この活動を実現させてくれた大勢の方々に心の底から感謝申し上げます。
遠くの地からいつも見守ってくれている花巻、釧路のみなさま、大変な状況でも練習をさせてくださったスケートリンクの方々、大変な状況で大会を開催してくださった連盟の方々、一緒に練習・試合をしてくれた他大学のみんな、たくさんのご迷惑をかけても活動の支援をしてくださるOBのみなさま、いつも側にいてくれた同期、大きすぎる背中を見せてくださった先輩方、(大体は雑に扱われたけど)時にはちゃんとかまってくれた後輩たち、自分勝手な活動にいつも協力的だった家族。最高の四年間でした。本当にありがとうございました。これからも輝き続けるアイスホッケー部をどうぞよろしくお願い申し上げます。