教育学部/愛知県立時習館
FW #16 松井 大弥
2022 CAPTAIN
みなさんお久しぶりです。
昨年12月をもって卒部しました、#16松井大弥です。
おそらくだいぶ長い追憶になると思うので、自分のことは後半に書きます。
前半は決意でも書きましたが、東大アイスホッケー部への感謝を。
はじめにOBさん、OGさん。
こんなにも人生でたくさんの人に応援してもらったのは初めてでした。会場にきてくださる方、メールなどで応援メッセージをくださる方、目に見えないところで応援してくださり、支援してくださる多くのOBさん、OGさん。みなさんの支えのおかげで、眩しいほどに輝いた四年間を送ることができました。会場にいらして、ぼくたちの得点に立ち上がって、大きなガッツポーズをして喜んでくださるOBさんが、ダイドーのAIカメラに記録されていたことがあります。また入れ替え戦のときには、同期のOBさんで誘い合って応援に来てくださったり、応援グッズまで用意してくださったり、100人以上もの東大アイスホッケー部サポーターに支えられて、勇敢に戦い抜くことができました。後輩たちの戦う姿に、心の底から応援をしているその姿が、ぼくたち現役部員が一年間、そして僕たち卒部生が四年間走り続けて来られた原動力です。そんな素敵なOBにぼくもなれたらいいなと。
四年間のご支援、ご声援に心から感謝いたします。
檀野監督、読まれているかどうかはわかりませんが、檀野監督の存在はとても大きなものでした。
檀野監督の言葉で支えられた部員はたくさんいます。悩んでいる時に背中を押してもらった部員、大事な試合に向かう前の控室で選手の背中を押し、勇気をくれた一言、一年生やスタッフ含めたチーム一丸で戦うことを最後まで呼びかけていただきました。檀野監督には、あたたかく、そしてぼくたち部員を信頼して、見守っていただきました。ありがとうございます。
大囿さんたちの代、ぼくにホッケーの楽しさを思い出させてくれました。そして東大アイスホッケー部の本気、アイスホッケーに対する真摯な姿勢を示していただきました。四年生がたくさんのミーティングを重ねて一回の練習を作り上げている姿、部停になっても最後まで執行代としての責務を全うする姿勢、これらは間違いなく昨年一年間の主将としての責任感やチームづくりの基礎となっています。そしてけんじょーさん。けんじょーさんのおかげで、たくさんのホッケーマンと出会うことができました。ぼくの大学ホッケー人生が間違いなく豊かになったきっかけです。結局、最後の大会となったインカレの決勝戦、部員何人かと見ていましたが、最後までリンクに残って明治が喜んでいる姿を一緒に残って見たのはけんじょーさんでした。けんじょーさんのホッケーを心から愛している気持ちに、僕は自然と惹かれていたのだと思います。大変お世話になりました。これからもお世話になります。
遠藤さんたちは、今年の三冠の土台を作ってくれました。2年生経験者で生意気だったかと思いますが、ぼくのことを信頼し、そしてたくさんの要求をしてくださったこと、大変感謝しています。遠藤さん、安東さん、同じ氷上チームとしてたくさんお話しさせていただきました。合宿では夜中まで。あの一年でたくさんホッケーのことを考えたし、たくさんの試合を見て、いろんなプレーを試して、何が1番東大アイスホッケー部に適しているかを考え、そしてそれらをチームに還元して。チームが強くなるために遠藤さんたちがぼくに任せてくれたはずが、気づいたらぼくが最もアイスホッケー選手として成長する一年となっていました。遠藤さんたちの代は、みんなが主体的で、自分の意見を持っていて、チームをより良い方向に、そして後輩たちによりよい環境をと、常に考えてくれていました。自分たちが進みたい目指す方向があり、それに向かって同期全員で考え、実行している姿はとても頼もしかったです。ぼくたちが一年生の頃は、並木、藤田、中川、岸本たち(上中も?)の指導にたくさんの時間をさいていただき、ありがとうございます。実力、気持ちともにかっこよくて頼れるホッケーマンになりましたよ!ななささん、ちえさん、ゆきさんもばりかとゆまにたくさんのことを伝えていただいたと思います。一つ上の代にスタッフがいなかったこともあり、3年生のときから二年間、スタッフ最上級生として2人がチームを支えることには、さまざまな困難を乗り越える必要があり、並大抵の覚悟ではできなかったと思います。そんな2人に寄り添い、育ててくださったななささん、ちえさん、ゆきさんには大変感謝しています。あとは、遠藤さんたちの代でというよりは、東大ホッケー部に入って最もお世話になった先輩のけんさんへの感謝を。まずは送り迎えありがとうございます。くだらない話ばかりの車でしたが、どこか性格にも似ているところがあり、とても居心地が良かったです。一年の時の夏合宿では、ニート部屋でしたかね、とても楽しかった記憶があります。合宿はきつくて辛くてという話をよく耳にしていましたが、けんさんとぼくは合宿が楽しみで、飯では苦手なものを交換したりして、2人して小学生みたいでした。筋トレ嫌いのぼくたちが、どこで血迷ったか知りませんが、エニタイムに入って、器具の使い方も知らないのにジム通いしたのはいまだに謎ですが。ホッケーの思い出は、、、石鳥谷で試合前のアップ中なのに何故か座って喋ってる2人の写真くらいしか記憶にないですね。後はりんたろうを完封したキーパーは後にも先にも、けんさんしか知りません。とにかくホッケー以上に楽しい思い出をたくさん、ありがとうございます。
そしてとーみさんたち、いやもうたくさん迷惑かけました。これはぼくもそうですし、ぼくたちの代もみんな。その節はごめんなさい。必死に解決しようとしてくれているのに、それに応えないぼくたちがいて、チームはバラバラになって。プレーでも運営でも、3年生となり引っ張っていく立場であり、四年生をサポートしていかなければならないはずが、1番四年生に迷惑をかけ、悩ませてしまったと思います。とーみさんが昨年の追憶で、「諦めること」が大切だと書いていました。それほど大変で面倒な問題をかかえていたのだと、薄々気づいていながらも、あの決意を読んでより一層感じたのを思い出します。でも1番チームのためを思って、多くの問題を諦めきれず、最後まで理想とするチームへの努力を怠らなかったのはとーみさんはじめとする四年生自身じゃないですかね。それこそが主将のあるべき姿、執行代のあるべき姿だと、僕も一年間主将を経験し、とーみさんの追憶を思い出し、感じることです。中川が、仙台の七大戦で優勝した試合の直後に、今までに見たことがないくらい無邪気に喜んでいて、それをビデオで見て、とーみさんたちが最後まで目指したチームの姿を垣間見た気がしました。
そして後輩たち、一年間主将として関わったチームだったので、やっぱり思い入れは強いみたいです。
みんなへのメッセージを書こうとしたら、めちゃめちゃ長くなりました。みんなでひら匠でご飯でも食べながら読んでください。
みんなにたくさんの思い出をもらったし、後輩たちにたくさんのヒーロも生まれました。
一緒に史上最高で史上最強のチームを作れたことを誇りに思います。
一年生のみんな、いつかの試合パンフレットで書いてあった入部理由を見ました。そこにはこの部で後悔しないと思ったとか、上を目指せると思ったとか、かっこいい先輩がいたとか、自分も強くなりたいとか、頼もしい一年生だと気づきました。その気持ちを引退するその日まで持ち続けてほしいと思います。
さわべ、プレーでも戦略でもたくさん話して、チームのことを考えてくれてありがとう。さわべがいる間はとりあえず強い東大のままですかね。
スンミン、またいつでもビデミ、フィードバックします。LINEください。
沼田、並木先輩はヒーローになりました。沼田がヒーローになる姿をぜひ見せてください。
水田、送り迎えもしたし、たくさん話したなぁ。阪神中日戦、ぜひ見にいきましょう。
廣川、その成長スピードには毎回驚かされてました。ぜひこの東大アイスホッケー部を引っ張る存在になってください。
塚原、釧路の風呂で語ったのなつかしい。自転車に乗る時は怪我しないようにしてください。藤田もよく怪我してたので。
とうま、ガッツ溢れるプレー、貫いてください。大会でも見たいです。
太田、みんなより遅れて入ったのにいきなり京大戦でゴール決めて、もってる男だと思いました。遅刻厳禁!頼みますよ!
宇佐美、その誠実さと素直さをぜひ貫いてください。いい子すぎて金森に、宇佐美はほんとにずっといい子なのかと聞いたことがあります。ずっといい子ですと答えてました。
きみこ、そのコミュ力ほしいです。その明るさで、プレイヤーを支えてあげてください。
なごみ、2年生からトレーナー最上級生?大変かと思うけど、ゆまでもできたので大丈夫です(笑) ぼくの母が、可愛い名前ねと言ってました。
2年生のみんな、たくさん話しました。たくさん一緒にいました。中村と松本を、支えてあげてください。
竹本、着実に一歩一歩階段を登ってると思います。東大のエースから2部のエースに。期待してます。
木村、2年生にも関わらず、本気でレギュラーを目指し、活躍をしたいと思うその真っ直ぐな気持ちに、中川、松本をはじめとする先輩たちは、たくさんの刺激をもらったと思います。頼もしいディフェンスマンとして活躍する日を楽しみにしています。
金森、冗談混じりにペナルティをいじったりしてましたが、金森のようなアグレッシブなホッケーは間違いなくこのチームに新しい風を吹き込んでくれました。プレーで引っ張る姿を見に行きたいなと。頑張れ!
川口、人生の話からホッケーの話までいっぱい話しました。川口が本気でホッケーが上手くなりたくて、たくさん疑問をぶつけてくれて、ホッケーについて考えるきっかけを与えてくれてありがとう。松井イズムは注入済みですので、覚醒に期待しています。
ますざわ、休部もしたし、カタールなんて行っちゃいましたけど、ますざわがホッケーを愛し、そしてなにより東大ホッケー部のみんなを愛していることをぼくは知ってます!
大河、ついに1stゴーリーですか。キーパーの練習は孤独で地道だと思います。忍耐強く、チームの勝利のために努力する、頼れるアイスマンになってください。
間宮、間宮の武器は自分のこと、チームメイトのことをよく観察し、理解していることだと、二人でビデミをしていて思ったことがあります。今年の入れ替え戦でもゴール決めましょう!
なおき、引退試合での涙、いじろうとオフィシャルに行ったら、先にいじられました。お前も泣いてたで。そのチーム愛を今度は後輩たちに与える側になってください。
のりこ、居心地のいい車はもう卒部しちゃいました(笑) チームのことを考えて、ちゃんと意見が言えるのりこのままでいてください。
さやか、カナダ土産の水筒、いつ使えばいいかわからないまま、引退まで眠ってしまいました。社会人で使います!
けい、またどこかで語りましょう。ひら匠ですか?水餃子おごります。
最後に中村、松本。
松本は、この一年で大きく成長しました。中川にはない武器を松本は持ってます。当たられても倒れない体、思い切りチャレンジする勇気、この一年試合経験をあまり積ませてあげられなくてごめん。ただこの一年、地道に磨いてきた武器は、必ず2部でも通用します。自信を持って東大のディフェンスリーダーとして、みんなを引っ張ってください。
そして中村。中村が1番この一年で変わったかなと。それはチームの誰よりも。シャイな中村で、試合のときはたくさん点を取ってチームを勝たせて、そんな中村はもう昔の話です。練習中には声出すようになり、後輩へも積極的にアドバイスを送り、なにより楽しそうにホッケーをしている姿に変わりました。プレーでも、中村に新しいホッケーを覚えて欲しくて、セットを組み替えたり、パワープレーのキーマンをやってみたり、未経験の後輩たちと同じセットにしてそのセットを任せてみたり、なかなか上手くいかないこともあったかと思います。昨年一年の経験が、今年の中村のホッケーにいきると信じて、ぼくはその選択をしてきました。そしてそれが強い東大を作る中村主将の考えるきっかけになればと。もうすでに中村は立派なリーダーです。自信を持ってチームを引っ張ってください。そしてみんなも中村を信じてついていってください。期待しています。
あとは同期ですかね。
ゆま、ばりかには、本当にお世話になりました。ぼくは正直マネージャーなりトレーナーなりをやる理由がわかりません。確かに、結果的には自分のためになるのかもしれませんが、実際に行っている仕事や割いている時間などは、全てがプレイヤーのためです。ぼくには到底できません。これほどまで長い時間を僕たちプレイヤーのために割いてくれて。心強いマネージャーとトレーナーがいたことで、四年間ホッケーに集中することができました。ありがとう。
並木、藤田、中川。引退試合でも話しましたが、まずはこのアイスホッケーという道の世界に飛び込み、大学生活の多くの時間を東大アイスホッケー部のために捧げてくれてありがとう。とても嬉しかったです。一方で、3人にはどうにもいい思いをさせてあげられなかったのではないかという気持ちがどこかに残っています。チーム事情もあり、試合に思うように出してあげられなかったり。運動部に所属している現役部員は、試合に出てナンボ、もっと言えば活躍してナンボです。だってそうじゃないと楽しくないですから。ぼくの立場から言うとおかしなことになりますが、ぼく自身もそう思います。みんながホッケーの実力に伸び悩み、あらゆるビジターに手をつけ、スケートリンクのおじさんにフリスケを習い、公園でハンドリングをして警察に怒られ、もがいていたことは知っています。それでも3人が強い気持ちを持って、試合で勇敢に立ち向かう姿を見せてくれたこと、そしてなにより四年間最後まで走り抜けたこと、これらが、ぼくがこのチームの主将をやっていて良かったと思える瞬間でもありました。そしてその姿勢が、今の後輩たちに間違いなく勇気を与えています。道標となっています。3人がこのチームに残してくれたこと、これが僕たち卒部生が現役チームに残した大きな財産です。最後までもがいて、戦ってくれてありがとう。
上中は、さっきの3人とは違い、ちょっと中途半端な立ち位置だったから余計に難しかったかもしれません。本人が気づいているかどうかは知りませんが、上中だけはほとんどの試合で一つ目で使っていました。目立った活躍ではないですが、献身的なスケート、ゴール前のスクリーンなど、これらが竹本やなおき、中村、さわべたちの上手な後輩たちが躍動できた大きな要因だとぼくは思ってましたし、そういう陰の仕事ができる人だと信じて使っていました。西大和で勉強合宿をして、その傍らぼくは国体予選に出ていて、そんな出会いがどうやらあったらしいですが、過程はどうであれ、同じチームで、同期でホッケーができて良かったです。ありがとう。
岸本、大河のところにも書きましたが、キーパーは孤独です。そんな孤独と戦い、四年間頼れるキーパーでいてくれたこと、ありがとう。エイトが、「二部以下で一番うまい未経験キーパーは岸本さんだと思います。」って毎回のように言ってました。そして試合に出ている立場でありながらも、並木、藤田、中川に寄り添ってくれてありがとう。その支えがあったから、僕たち四年生は10人で三冠を達成できたと思います。ありがとう。
小池、大森。2人の頼れるディフェンスがいたから、攻撃ホッケーを四年間かけて作り上げることができました。ホッケーの表彰は、最多ポイントであったり、MVPであったり、 FWやキーパーが取りやすいものがほとんどです。僕らのリーグでは、一部リーグのようなベスト6も表彰されません。チームの勝利のために、献身的に守る2人のおかげで多くの得点が生まれ、たくさんの失点を防いでくれました。プレーではもちろんですが、副将としても、ぼくが気がついていないところでの献身的なサポートがあったと思います。ぼくが知らない部員の情報をたくさん持っている2人だったので、たくさん部員の話を聞いてくれたのかと。そのおかげで、自分たちの目指すチームに向かって取り組めていました。ありがとう。
僕たち10人はたまたま同じ時期に大学に入学し、たまたまアイスホッケーに興味を持って入部を決めて集まった人たちです。ここからは僕のちょっとしたお願いにもなりますが、どうか何かしらの形でホッケーを好きでいてくれたらなと。別にチームに入ってプレーをしなくても、四年に一回オリンピックだけ見るでも、子供がアイスホッケーをやるでも、東大のユニフォームをタンスの奥底にしまっておくだけでもなんでもいいです。この素晴らしいスポーツに出会えたこと、そしてアイスホッケーを愛していたことを、忘れないで欲しいなと。
最後に家族に。
ままちゃん(うちではおばあちゃんのことをこう呼びます)は、いつも勝利を祈ってくれて、時にはパックを奪われたら早く戻ってきたほうがいいとかアドバイスもくれて、立教に負けた時は本人であるぼくよりも悔しがってて、1番勝利に貪欲だったと思います。その期待に応えられたでしょうか。四年間一緒に戦ってくれてありがとう。
パパちゃん、高校生の頃には名古屋から夜中に練習終わって帰ってくれば、必ず起きて待っててくれました。何を言うわけでもありませんが、無事に帰ってくることを確認してから、寝てました。カッコつけで、あんまり表に感情を出すわけでもなかったですが、その優しさがぼくが16年もアイスホッケーを続けてこれた大きな支えです。たぶん見てたかな。四年間やり切りました。
海老名のお母さん、お父さん。居候もさせてもらって、洗濯からご飯から、車まで貸してくれて、最後までサポートありがとうございました。2人の生活のちょっとした楽しみにホッケーがなってたら嬉しかったです。これから恩返しします!
たつや。ホッケーのこと、チームのこと、たくさん話して、いつも気にかけてくれてありがとう。もうたぶんホッケーは負けません。後輩のみんな、入れ替え戦の時にもらったジャージ着てね!
んでまなみ。死ぬほどお世話になりました。決意に書いたような今までで1番のシーズンになりましたか?いい試合やいい活躍をした試合は過去にもたくさんあったかと思います。だけど、この一年、そしてこのチームが間違いなく最も魅力的だったんじゃないでしょうか。ホッケーは一旦ここで終わりますが、大弥はこれからも新しい夢にむかって走り出します。一生かけて恩返ししますけど、一生かけてお世話になります。よろしくお願いします。
家族のことについて書くと、途端に書く手が進まなくなりました。恥ずかしいのか、もう話し尽くしているのか、分かりませんが、間違いなく家族のみんなが16年間のぼくのアイスホッケー人生のいちばんのサポーターであり、ファンであり、チームメイトでした。これからもたくさん楽しませられるように頑張ります。これからもずっとよろしくお願いします。
と、ここまで書いてめちゃくちゃ長くなってしまって自分でも驚いてます。
今年の成績やらホッケーのことについては、同期の追憶で話してくれている人がいると思うので、ここからは、僕の16年のアイスホッケー人生と中学から10年間の部活動人生で学んだことについて、ちょっとだけ話そうかと思います。
まずはアイスホッケーの魅力について。
アイスホッケーの魅力は、スピード感だったり、激しさ、非日常感など様々あります。
ですが、その一番の魅力は人との出会いです。
他のスポーツのことはよく知りませんが、他大学の練習や全く知らない人ばかりの社会人の練習にお邪魔したり、自分たちの練習に普通に日本代表クラスの選手が来たり、こんな環境はアイスホッケーだけだと思いませんか。
アイスホッケーの世界は非常に狭いです。簡単に全国に友達ができます。他大学にも、他学年にも、ときには社会人や高校生にも。
アイスホッケーを続けていれば、嘉一みたいな4年間ろくに連絡もとらなかった人と、またホッケーができる喜びを味わうこともできます。
そしてたくさんの刺激をもらうことができます。
去年の2月ごろだったと思いますが、部員のみんなに「上智の練習に行ってこい」と言ったことがあったと思います。練習メニューやレベルがいいことはもちろんでしたが、僕が感じ取って欲しかったのはその姿勢です。明らかに僕たちとは違いました。活気も緊張感も。一月から練習中の雰囲気については、練習があるたびに声かけをしていましたが、まだまだ甘かったと、痛感しました。この点については、それから一年近くたった12月でもまだまだ道半ばだと思うところで卒部してしまいました。元気すぎてうるさいOBとして練習盛り上げに行こうかな。
個人的に僕のアイスホッケー への姿勢を変えた出会いは二つ。
一つ目は、中央の権平くんです。
面識も特にないですが、とーみさんたちの代のときに一度僕たちのの練習に来たことがありました。
もちろん世代を代表するような選手であるので、練習のレベルも雰囲気も権平君にとっては全く満足いくものではなかったと思います。
しかしそんな中でも、一回一回の練習を全力でやる姿勢、自分の技術や知識を惜しみなく僕たちに伝えようとする姿勢は、そこからの僕の練習への意識を大きく変えるきっかけとなりました。
二つ目は、りんたろうです。
もうお馴染みかとは思いますが、大学に入ってから出会った人で一番仲良くなった人かと。
経験者であり、似たような境遇の友達だったので、チームづくりや練習の姿勢から戦術・技術まで、たくさんのことを話しました。
りんたろうのおかげで友達になれた人もたくさんいます。
おまけにおすすめの治療院(この表現であってますかね馬場さん、間違ってたらすいません)まで紹介してもらって、今ではヘビーユーザーになりました。ありがとうございます。近いうちにカナダ行きます。
何はともあれ、アイスホッケーという狭い世界ならではの特別な出会いと刺激が、僕の人生を豊にしてくれています。
みなさんこれからもよろしくお願いします。
最後に「部活」について。
この追憶の何処かにも書きましたが、競技性のある部活動に所属する以上、試合に出て、活躍して、勝って喜ぶこと。これが一番の楽しさであり、それこそが部活の醍醐味です。もっと過激に言えば、負けて残るものなどないと思って戦ってきました。たとえエリート軍団の関西大学だろうと、一ミリでも勝つ確率を上げるために関西リーグのビデオも、なんならkaisers tvのインカレ直前インタビューも見ました。どこかに隙はないかと半分諦めながらも、半分本気で探しました。これは現役の時も、引退しても、一貫して変わっていない考え方です。みんなにも自分にも、直接的には言わなくとも、そう思わせるように仕向けていたかもしれません。だからこそ僕たちの代のみんなは、最後まで結果にこだわっていました。後輩のプレイヤーもスタッフも、最後の1日まで、成長することを諦めないでもがき続けてください。そして目の前の勝利や成長にこだわってほしいなと思います。
ただこれらは、「現役部員」としての僕の考え方です。
ここからは引退が見え始め、追憶を書かないとと考え始めた12月ごろの僕や、引退した後の僕の気持ちとして読んでください。
現役の時、僕は感情の浮き沈みがないのか、優勝しても入れ替え戦に負けても、一度寝てしまえばすぐに次の七大戦やらインカレやらへと、自分の気持ちを切り替えることができていました。嬉しいも悔しいも多分、みんなほど感じてなかったんじゃないかな。だからこそ、インカレの最後の試合が終わった後は、アイスホッケー における次の目標がなくなり、それと同時に競技に対する興味も薄れました。あんなに見ていた自分たちの試合の動画も、時間が経つにつれて見なくなり、防具はきれいに洗濯をし、スティックはブレードテープを全て剥がして部屋の隅に置いてあります。
勝利も敗北も優勝も、得点もアシストも個人賞も全て過去のものです。今になってそこに満足も達成感も後悔も特にはありません。
誇れるものや満足するものがあるとしたら、と考えましたが一個しか出てきませんでした。
元はと言えば、僕が東大を受験することを決めたのも「東大アイスホッケー部でホッケーがしたいから」。ただそれだけでした。
2019年3月10日の合格発表のその日から引退するその日まで、東大アイスホッケー部のことを考えなかった日は1日もありません。
これは自信を持って言えます。
引退するその日まで、チームが成長すること、チームを愛すること、チームのことを一番に考え続けたこと。
これが1年間主将をやってきた僕が誇れることです。
ではなんで僕は、人生のこれほどまでに長い時間をアイスホッケーに、そして「東大アイスホッケー部」に捧げてきたのでしょうか。
引退試合の後の保護者の皆さんへのメッセージの時に泣けてきたのでしょうか。
その答えは、「部活」だったからです。
部活動に所属する理由は人それぞれです。
勝ちたい、自分を成長させたい、就活に有利だから、出会いがあるから、親に入れと言われたからなど別になんでもいいんです。
そこに優劣はありません。
様々な理由を持って入った人たちが、同じ時間を共にし、同じ目標に向かって努力し、苦楽を共にすること。
これが部活動です。
会社経営などしない学生の私たちにとって、人と人とが手を取り合って同じ目標に向かって多くの時間を共にするには、部活動が最も身近で取り組みやすいものでしょう。
しかし、中学、高校、大学になるにつれて部活動に本気で打ち込む人は減っていきます。
だからこそ大学の部活動には、それ相応の覚悟と勇気を持った人が入部してきます。
本気でぶつかり合うことも、逆に大人になって本気でぶつかれないから一人で抱え込むことも、行きたくないとか辞めたいと思うことも、20歳前後の大人が勝ち負けに本気で一喜一憂することも、そんな覚悟と勇気をもった集団だからこそ生まれるものです。
「どんな思いを持っていたとしても、時間が来れば仲間が集まる場所」それが部活動です。
そこを居心地がいいと感じるかどうかは人それぞれで、部活には義務感のようなものを抱いて行くことも多いと思います。
なんならどんな思いを持っていても休んだりすることが、後ろめたくなるくらい、行くこと、仲間と集まることを選択するんです。
言葉では表せません。「部活」には特別な力があります。
多分僕はその大切な場所を失いました。
だから多分泣きました。
僕の人生の大きな柱となっていた場所を失った気がします。
これからの人生でそれを見つけなければいけません。
会社なのか、推しなのか、家族なのか、友達なのかはわかりませんが、僕の人生を大きく変え、豊にしてくれた「部活」を超える柱を見つけなければなりません。
悲しさも喪失感も焦りもありません。この新しい何かを見つけることが楽しみで仕方がないだけです。
今までこんなに素晴らしい経験をし、僕を支えてくれた「部活」に加えて、またさらに人生を豊かにしてくれる出会いがあると思うと。
最後になりますが、大変な長文を、そして僕たち10人の追憶を最後まで読んでくださった皆さんありがとうございます。
みんながいたからこんなにも輝いた大学生活を送ることができました。
大学生活、ホッケーしかやってこなかった僕にとってはこれが卒業論文です。
これからは一人のOBとして、これからも史上最高で史上最強であり続ける東大アイスホッケー部を支えていきます。
部活、アイスホッケーを通じて出会った仲間たち、本当にありがとう。
以上!!!引退します!!!!!