【氷上の追憶・2025 VOL3】塚原 壮哉

 

 

文学部/栄光
DF #19 塚原 壮哉

 

みなさんこんにちは。

つい先日アイスホッケー部を引退したばかりの塚原(#19)です。1年前の決意以来ですね。

外は何の前触れもなくいきなり寒くなりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。僕は引退して深夜に外に出ることがなくなったからなのか、肌が良くなった気がします。さて、最近の身の上話をつらつら書いても仕方がないので、ここから先は自分の部活人生を振り返っていきたいと思います。長い、あるいは見づらいと感じるかもしれません。ですが、文が稚拙な点に関して、ご容赦いただけると幸いです。

 

この4年間で、家族や親戚、高校の同期などに何度も聞かれた質問があります。

 

「なんで塚原ってアイスホッケー部を続けているの?」

 

「やっているの?」ではなく「続けているの?」です。つまりは、深夜遅くに家を出発して氷上で練習した後に夜明け近くに家に帰り、その行き帰りには高額のカーシェア代がかかり、また陸トレできついメニューをこなし、さらには土日に公式戦が入る時もあるという負荷がある上で、それでもアイスホッケー部を続ける理由。この質問に対して、多くのプレイヤーは「アイスホッケーが好きだから」と即答するでしょう。僕もそう答えていました。ですが、他のプレイヤーと違って僕はこの回答する際、いつも自信を持って言うことができませんでした。むしろ、頭の中でこう自問自答していました。

 

「自分は本当にアイスホッケーを楽しめているのか?」

「自分は今全力でやっているのか?」

と。

 

思えば、大学に入学する前の自分はガッツがなく、部活とは遠く離れた存在でした。中学の時に入っていたサッカー部では、日々の部活動を振り返る反省ノートも1週間足らずで続かなくなったり、練習前には「辞めたい」と呟いたりするなど、とにかくやる気のないプレイヤーでした。結局、サッカー部も高校生になる前には退部して、歴史研究部に転部したはいいものの、最後まで全力で部活に取り組む経験をすることはありませんでした。そして、ここまでの僕の人生の中でアイスホッケーは全くもって無縁のものでした。

 

中高時代の反省からなのか、大学では何かを全力でやりたいなーと、サークルオリエンテーションが開催中の駒場1号館で考えていたら、やたらと話だけでも聞いてくれと言ってくる団体があって、まんまと捕まってしまいました。それが、アイスホッケー部との出会いでした。特に他の予定もなかった僕は、何でこんな遅い時間にと悪態をつきながら、新歓氷上に参加しました。初めての氷上。壁につかまりながら恐る恐る滑っていた当時の自分は、この状況で滑りながらハンドリング、シュート、チェックなどをするなんてどんなスポーツなんだと思い、到底上手くなる気がしませんでした。そして帰りの配車、良くか悪くか気が強い部員と一緒になってしまい、近々練習試合が東伏見であるから見に来てほしい、アイスホッケー部に入る以外ありえないと何度も圧(?)をかけられ、ほんっっっっっとうに長い時間悩んだ末に、部員の口車に乗せられて後日練習試合の観戦にいきました(自我が弱いのは今も昔も変わらないですね)。この時に、誓以外の同期と初めて会いました。廣川とかいう奴、あれ未経験でやるスケーティングじゃないだろと一人ボーと眺めていたら、先輩部員から声をかけられて、お前次回の氷上練習乗ってもいいよとラフに言われて、こうして僕は仮入部となりました。(ちなみに、この先僕が正式に入部すると言うことはありませんでした。つまり、僕は仮入部員のまま4年の最後まで在籍し続けたのです!)

 

1年生。ホッケーはおろかスケーティングの技術もまだまだ未熟だったので、とにかく氷上練習ではスケーティング練習。フリスケにもよく行きました。しかし、アウトエッジ、クロスオーバー、バックスケートを始めとして、中々スケーティングが上手くならず、まだアイスホッケーのどの辺が面白いのかよく分からないまま、1年を過ごしました。事実、この年の夏合宿はずっとスケート練習しかしなかったことから、経つ時間が長く感じました。

また、この年の4年は松井さんたちの代。この時のアイスホッケー部はまさに常勝軍という印象です。経験者がたくさんいたからなのか、あまり体育会系部活の雰囲気はなく、ゆるりとした雰囲気だったのを今でも覚えています。かくいう僕も、今と比べたらのんびりと部活人生を過ごしていた気がします。そしてこの時の車は並木さんに乗せてもらいました。本当にありがとうございました。

 

2年生。誓が入部して、これで同期が勢揃いですね。この時から上級生と混ざって練習し始めました。本格的にアイスホッケーを始めたことから、徐々にアイスホッケーの面白いところが何なのか分かってきたような気がしました。そんな折、4月から始まる春大会に、2年プレイヤーも出すかもしれないとの話をどこかで聞きました。他の同期はどうだったか分かりませんが、僕はそれを聞いた後、とにかく練習量を増やしました。僕はDFなので、フリスケではひたすらバックスケートを練習しました。しかし、いざ春大会が始まると、2年プレイヤーの内僕以外の同期は出場し、僕だけ出れませんでした。その時の悔しさは、相当なものでした。それから、僕はビジターに乗ってさらに練習量を増やしました。ある月に乗ったビジターは東大の氷上練習よりも多く、その月に使ったカーシェア代は8万円をこえました。とにかく試合に出たかった。ですが、最後まで春大会には出場することができず、秋大会は松本さんと木村さんが怪我をした影響で少し出場することができましたが、特に目立った活躍はせず終わってしまいました。

 

3年生。久保さんがコーチになるなど、この年から以前とは明らかに部の空気が変わったのを感じました。個人のレベルアップではなく、チームの目標達成を第一に。この頃から少しずつ「ワンチーム」を意識し始めた気がします。ですが、この1年は他のプレイヤーと比べてもアイスホッケーが上手くなっている感覚があまりなく、自分の成長のしなさに苛立ち、焦燥感を感じていました。そして、この年は木村さんたちの代。秋の上智戦など、どんな逆境でも乗り越えて勝つ東大チームを見て、正直本当に目標の「1B昇格」ができるのではないのかと信じていました。だが、入替戦であたった神大の壁は想像より高かった。試合に出れないのが当たり前になりつつあった自分は、これまでチームの勝ち負けに対して、他のプレイヤーよりも一喜一憂することは正直なところあまりありませんでした。ですが、1年間でのみんなの弛まぬ努力、そして粘り強く耐えてもぎ取った勝利を間近で見てきたからなのか、この時は久しぶりに悔しさを感じました。うちらの代のスローガンを借りるのならば、この時”All for One”の精神を身に宿すことができたのではないでしょうか。

 

4年生。時間は早く過ぎるもので気づけば執行代になっていました。昨年の入替戦がターニングポイントになったのかどうか、最後の年は今までとは違って、氷の上で自分はチームのために何ができるのかを常に考えていた気がします。同期は「公式戦全勝」という大いなる目標に向けて自分よりも考えて練習している、その姿勢は僕にとても刺激をくれました。執行代というポジションの責任なのか、今まで以上にアイスホッケーと向き合った気がします。他の人に何かアドバイスをもらいにいくのは正直苦手なのですが、同じ車の増子くんや同じポジションのしじょうくん、久保さんをはじめ、執行代になってから上手い人になりふり構わず聞くようになったかもしれません。アイスホッケーに対する情熱が一層高まったからなのか、入替戦の出場切符を手にいれることができた時の高揚感は今でも忘れられません。だが、神大の壁はやはり高かった。入替戦に敗れた後、1年間同期がもがき続けて敗れてしまったこと、そして何より自分が入替戦に微力も貢献することが出来なかったことで、2年で試合に出れなかった時以来に重い感情が心の中にのしかかりました。

 

ここまでの部活人生、振り返ってみると正直あまり良いことがありませんね。確かにアイスホッケーが好きだという気持ちは本当だし、この初心があるからこそアイスホッケー部を続けてこれたというのは間違いありません。ですが、これまでの部活人生、チームとしては春大会優勝や秋大会優勝など、しっかりとした結果を残すことは出来ましたが、塚原壮哉という1アイスホッケープレイヤーの作った、目にみえる形での結果がありませんでした。個人で結果を出せていなかったからこそ、「自分は本当にアイスホッケーを楽しめているのか?」「自分は今全力でやっているのか?」という質問に対して完全に「はい」と言うことが出来ませんでした。

 

転機はありました。それは現役プレイヤーとして最後に出場した、双青戦の現役 VS OBの試合でした。今まで公式戦で1点も取ることが出来なかった自分ですが、最後の最後、Dシュートで初公式戦(?)ゴールを決めました。セレブレーションがあまりにもダサかったのでその後ビデオでゴールシーンをあまり見てはいませんが、あの時感じたのは、高揚感ではなく、達成感、もしくは安心感でしょうか。何か心にずっとつっかえていたものが落ちたような、そんな感覚を味わいました。今まで全力でアイスホッケーをやれたのか。アイスホッケーを楽しめたのか。個人的に最後結果を残すことができて、今はこの質問に対して、胸を張って「はい」と言うことが出来ます。

 

以上、今まで僕の部活人生を振り返ってきましたが、実は、この振り返りの最後をどう締めるのか、以前からずっと悩んでいました。というのも、僕は今まで試合で大して活躍していない、何なら出れていないし結果を残せていない。その状態で振り返りをきれいに締めることは果たしてできるのだろうかと考えていました。ですが、今は違います。4年前の5月に練習試合に行こうかどうか、アイスホッケー部に入ろうかどうかの選択で迷っていた1年生の自分に向けた言葉という意味もこめて、振り返りはこの言葉で終わろうと思います。

 

あの日悩んで入った自分に、100点をあげたい。

 

最後に、各方面の方々にお礼の言葉を記して、この追憶は閉じたいと思います。

 

OB・OGの皆様

今までのアイスホッケー部に対する多大なるご支援、本当にありがとうございました。僕がのびのびと練習出来たのは何より皆様方の支えのおかげでした。来年度以降も、是非東京大学運動会スケート部アイスホッケー部門へのご支援を続けていただけたら幸いです。

 

家族

ここまでアイスホッケーを続けてこれたのは、一にも二にも両親のおかげでした。深夜に家の中をバタバタ歩いて起こされた時は何度もあったと思う。ごめんなさい。レクサスもぶつけてごめんなさい。でも、改めて、こんな特殊な時間に練習する部活にい続けられたのは、両親が自分の要求を許してくれたおかげです。今まで本当にありがとう。

 

檀野監督

4年間本当にお世話になりました。東大が押されてベンチの空気が悪くなった時、檀野さんの檄で僕も他のプレイヤーも奮い立ったシーンが何度かありました。来年度以降の試合も是非、監督として選手を鼓舞していただけると嬉しいです。

 

久保コーチ

2年間本当にお世話になりました。僕が久保さんの期待通りに成長できたかどうかというと、多分できずにヘタレのまま終わってしまったと思います。期待通りの成長ができず、申し訳ありません。

正直なところ、久保さんが東大を見てくださる前、自分はコーチをつけることに反対でした。今まで緊張感を持ってアイスホッケーをやってこなかった分、どうなるか不安だったからです。ですが、4年の最後の時期には、久保さんがコーチについていなかったら多分この技術は身に付かなかったのだろうなと思うことが何度もありました。それもこれも、全て久保さんが忙しい中、自分たちに親身になってコーチングしていただいたおかげです。改めて、今まで本当にお世話になりました。来年度もどうかよろしくお願いします。

 

増子学生アドバイザー

短い間だったけど、本当に車の中、そして氷上でお世話になった。ありがとう。そして改めて、東大アイスホッケー部に入部してくれてありがとう。本当は受験しなおして東大に入って欲しい気持ちは山々ですが、少なくとも増子くんがいるといないとじゃ僕のホッケースキルの伸びは大きく違っていたことは確信しています。いろいろ車の中で質問してごめんね、そして丁寧に教えてくれてありがとう。車、これから大変だと思うけどがんばってね。そして、これからの東大アイスホッケー部をよろしく。

 

お世話になった先輩方

今まで本当にお世話になりました。自分が関わってきた先輩方は、全員親身になって接してくださる、優しい人ばかりでした。先輩方が教えてくれた一つ一つのアイスホッケーのことは、全て自分がプレー技術を向上させるための糧となりました。こんな根無し草をアイスホッケー部という素晴らしい環境に誘って下さり、ありがとうございました。もし追い出しマッチに出る人がいれば、一緒に後輩ボコボコにしましょう。

 

後輩プレイヤーたち

去年自分は決意で「信頼を取り戻す」ことを誓いましたが、この1年どうだったでしょうか。誓いを果たすことができたのかできなかったのか、まぁここは一旦伏せときましょう。

自分は正直人と話すことが苦手なのですが、後輩くんたちはいつも気さくに話しかけてくれたので、いつも嬉しく思っていました。また、氷上で自分のプレーを指摘してくれたのも、全て成長につながりました。本当に今までありがとう。来年こそ僕らの記録を超えて1部昇格を目指してください。期待しています。

 

スタッフ

いつも夜遅くにリンクに来て、怪我の対応やビデオ撮影、データ整理などをしてくれるスタッフたちがいないと僕をはじめとするプレイヤーは練習することが出来ませんでした。毎回遅くに来るのは大変だと思います。だけど、練習に来て元気に接してくれるスタッフのみんなにはありがたい気持ちでいっぱいだったし、すごいとも思っていました。今まで関わってくれて、ありがとうございました。何かの機会があれば、今後もよろしくお願いします。

 

同期

正直不思議な同期です。真面目なやつがほとんどだと思いきやそうでもなく、ゆるいところはとことんゆるいといった、空気感がよー分からん人たちです。でも、これだけは言える。全員本当に優しい。よく話してくれるし、相談にも親身になって乗ってくれる。よーわからん連中とは言いましたが、僕はそんな君たちが最高の仲間だと思うし、君たちが同期だったおかげでここまで続けることが出来た、そう確信しています。

あと一つ、同期に対して言うことがあるとすれば、4年生の時のことです。1年前の年始あたりに悩みに悩んで、チームの目標を「公式戦全勝」としましたが、あれ正直僕は内心高望みだと思っていました。駒澤や上智、筑波など相手にうちらでいけるのか。でも、結果として、春大会と秋大会は全勝で優勝しました。七帝戦こそ全勝することは出来ませんでしたが、それでもここまでの成績を残すことができるなんて、1年前の自分からは考えられなかったと思います。春大会の上智戦を見て、うちの同期はやはりすごいと思ったし、ここまでの結果を残せた君たちと同期になれたことを僕は誇りに思います。

情けない奴だったと思うけど、本当に今までありがとう。そしてこれからもよろしく。

 

ご精読ありがとうございました。