
工学部/久留米大学附設
FW #1 鬼塚 遼
工学部航空宇宙学科新4年、センターの鬼塚遼です。 平素より東京大学アイスホッケー部に多大なるご支援、ご声援をいただき、誠にありがとうございます。
最上級生となるこの節目の時期、多くの部員が冬の成果や来季への戦術を語る中で、私は少し異なる場所からこの決意を書いています。 現在、私はリンクの上にいません。 昨年の12月、練習中に腰椎を骨折しました。現在はコルセットで固定された背骨と共に、静かにリハビリの時を過ごしています。
正直に振り返れば、私の東大ホッケー部での3年間は、決して華々しいものではありませんでした。 公式戦のメンバー表に自分の名前が載ることはほとんどなく、スタンドから同期の活躍を見守る時間が長く続きました。自分と主力選手との間にある実力差という現実を突きつけられ、まさに「燻っている」状態。 それでも腐らず、下級生の大会やウエスト杯などで泥臭くパックを追い、ようやく得点という形で自身のループが噛み合い始めた矢先の大怪我でした。
積み上げた変数がすべてリセットされ、マイナスからの再出発。 客観的に見れば、これは絶望的な状況かもしれません。
しかし、天井を見上げるベッドの上で、ふとある言葉が頭をよぎりました。 天が人に大いなる任を降そうとする時、必ずまずその心志を苦しめ、その筋骨を疲れさせ、行う事為す事に幾多の障害を与える、と。
つまり、この骨折も、長く燻った時間も、すべては私がこれから成すべきことのために用意された「必然の試練」だということです。 ならば、答えは一つしかありません。
「ならば、よし」。
この理不尽なまでの逆境が天の配剤であるなら、私はそれをすべて呑み込み、力に変えるまでです。 今のこの「至弱」の状態は、余計なノイズが一切ない、純粋な原点です。 動けないこの期間に、自身のホッケー観を論理的に分解し、再構築する。今の私に必要なのは、単なる現状復帰ではなく、復帰した瞬間に周囲へ「驚愕」をもたらすような、非連続的な進化です。
その覚悟を、一つの標語として掲げます。
「俺の戦いは至弱より始まり、そして全ての敵を崩し、やがて至強をも倒すに至る」
実績もフィジカルも失った今の私は、紛れもなく「至弱」です。 しかし、センターとしての私の役割は、パックと人が交錯するカオスの中で冷静に状況を制御し、敵の守備システムを内側から「崩す」こと。 そして何より、チームの要として「崩されない」ことです。
チームとしての目標は一部昇格。復帰後の具体的な個人の目標として、以下の二つを自らに課します。 「フェイスオフ勝率60%超」、および「最多plus/minus」。
プレーの開始地点(初期値)であるフェイスオフを支配し、守備においては誰よりも堅実なフィルターとなる。 「至弱」から這い上がる私は、派手なプレーよりもまず、この泥臭く精緻な仕事を完遂し、チームの勝利の土台となります。
航空宇宙のミッションにおいて、一度軌道を外れた機体が制御を取り戻し、目的地へ帰還する軌跡ほど美しいものはありません。 骨が繋がり、再び氷上に立った時。 静かなタッチと、その奥にある烈しい覇気で、必ずチームを勝利に導きます。
「至弱」からの逆襲、そして「至強」への飛躍。 私のホッケー人生のクライマックスは、ここから始まります。
最後になりますが、今後とも東京大学アイスホッケー部への温かいご声援をよろしくお願いいたします。
