工学部/開成
DF #45 松本陽大
2023 ALT. CAPTAIN
追憶の内容は、4年間ホッケーをやってみた感想とか、部の一員としてのチームに対する思いとか、執行代たる自分という人間の資質についてとか、etc…一応ぼんやりと考えてはいたのですが、いざ書いてみたらネガティブな方向に筆が進んでしまって、書く分には面白かったのですが、読み返してみるとあまりに陰鬱で長ったらしいし、自虐的で不快だったので、めでたくお蔵入りです。
ただ、決意で書いた目標、特に③大森さんを超えること、という挑戦状的なそれに対する自己評価を出してほしいと言われたので、とりあえずそれだけ書くことにします。
僕は、「大森さんを超える」という目標を立てました。一つには素晴らしい結果をだした去年と、今年のメンバーを比べた時、DFのキーマンが二人いなくなって、今年も三冠を狙うなら少なくとも大森さんは超えないといけないなという、Aマークを背負う外面の自分にプレッシャーをかけるためのものであって、もう一つは自分を客観的に評価するためのものさしとして、過去を振り返ったときにわかりやすい比較対象がほしかったからでした。僕は時間的に先行する他者を見て、本質的に彼らを超えようとしていたわけでは全くありませんでした。というよりもむしろ、僕は常に、他者ではなく自己を、現在の自分よりも時間的に先行して存在する過去の自分を見て、それを超えようとしているつもりでした。極論をいえば、他人よりもうまくなるとかはどうでもよくて、自分で納得できるプレーができたかどうかが唯一絶対の評価指標でした。そして、過去の自分を踏み越えていった先にある、はるか未来の自分が、そうした時間的先行者の存在を意識することがなくなることが理想でした。
結局のところ、最終的な到達点は、自分が納得できるプレーをできた自分ではなかったという評価です。良い終わり、と言い切るには少し足りないでしょうか。ただ、評価が悪いからといって後悔は全くなく、3年ちょっとの時間を費やして自分にできるのはここまでだったというだけです。
とりあえず赤門でホッケーを続けようとは思っていますが、ホッケーに触れる時間の密度を考えれば、どんなに時間をかけたとて、もうこれ以上はうまくなることはないでしょう。その点には少しのさびしさと、不思議と心地の良い脱力感を覚えています。
決意に続いて、追憶も短くなってしまいましたが、このくらいで終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。