工学部/昭和薬科大学付属
DF #69 當眞 嗣丈
OBOGの皆様、保護者の皆様、関係者の皆様、昨年も並々ならぬご支援ありがとうございました。東大アイスホッケー部は皆様のご支援あっての活動です。今年も変わらず皆様が応援したいと思っていただけるよう心がけようと思いますので、今後とも応援よろしくお願いいたします。
少し冗長な文章ではありますが、さっと目を通していただけると幸いです。
今は2025年の三月の頭、自分が執行代となり、二ヶ月が経った。
ちょうど合宿を終え、チームの雰囲気や各個人の動き方など大体見えてくる頃だと思う。
自分の正直な感想は、こんなもんじゃない。まだまだできる。一番は自分、そして同期に対して。
ここ最近でこの部のポテンシャルを感じたのは、ウェスト杯だった。去年まで公式戦にほとんど出ることのなかった3年生や、去年入部して別の下級生メニューで練習していた2年生の今まで溜まっていたホッケーへの熱意が全て溢れ出て、そして全員がまとまって同じ方向を向いていた気がした。
自分が思うに、それは自然とそうなったわけではない。
去年から公式戦にも出始めていた原は遠征のチーム運営に始まり試合前後の声かけまで、全体を見渡してチームを統率していた。
江川は2年生も巻き込んでオフアイスでもコミュニケーションをとってどんなプレーをしたいか話し合ったり、他のみんなが恥ずかしくて笑ってしまうほどウェストへの熱意を全面に出していた。
石川がコーチに駆け寄って次の話合いでフォアチェックを確認する方向に進めたいです!と意見していたり、
日高が堅実なプレーでチームを支えていた。
他にもあげたらキリがないけど、たとえ無意識であっても3年生は皆の熱意が同じ方向を向けるように下級生に耳を傾け、プレーで指針を示していた。
そんな3年生を見て2年生は正面から向き合って弱音も吐かず、臆することなく、勝ちに向かって突き進んでいた。あやかちゃんにもそれはひしひしと伝わっていた。
そんな姿を見て、まさしく自分の目指すチームの形はこれなんじゃないかと興奮した4年生は多かったはずである。
(ウェスト杯でコーチに教わる日高と、なぜか笑っている尾畑)
今ふと思い返すと昨年の主将木村さんはこれを体現していたと思う。
春合宿の鳥取中戦後、自分は鳥取中の凄さに圧倒されながらもできることはやった、これでまた一歩成長できた。なんて独りよがりなことを考えていたが、木村さんは試合終わりに勝ちたかったと、一人涙を流していた。
その時、部員全員が今のままじゃダメだ、今の自分から変わらないといけない、と考えただろう。
僕が思うにそれは、木村さんが自分のこと以上に仲間のことに期待し、誰よりもこのチームのポテンシャルを信じて、練習試合を戦い抜いた証拠である。自分がチームを引っ張っていく立場として、この部を強い東大アイスホッケー部にするという責任を背負って、1,2月の基礎練習が作り上げたチームの集大成を一番初めの練習試合のである鳥取中戦を大舞台に見立てて木村さんは一人で戦っていたのである。
その試合こそ6-1で負けたが、春合宿の終わりの頃にはチームがまとまり、チーム力が上がったのが3年の自分にすら実感として湧いていたのを覚えている。
僕は自分に対しても、そして同期に対しても、こんなリーダーシップを発揮できると信じている。
1年の時、自分の家に同期4,5人で泊まりにきた時はやっぱりホッケーだよねと夜通しビデミしたり、
最近細尾に行った時も一日4,5時間ホッケーしてへとへとなのに、夜3時ごろまで1月の振り返りをして、どうすれば下級生が伸び伸びとホッケーができる雰囲気になるか、下級生は取り残してはいないかと話したり、
ホッケーへの愛そしてチームへの愛は普通ではないくらいにはあると思う。
初めは空回りすることもある。下級生はそんな僕たちを見て初めは文句を言うのかも知れない。
ただ、僕は同期の君たちがこの部活をさらにいい部活にしようとしているのは理解しているつもりだ。反対意見が出れば柔軟に変えればいいし、木村さんみたいに器用じゃなくていい。
今までの先輩がいたアイスホッケー部は序章である。今年こそ、僕たちの本章で、本気でアイスホッケーに向き合い、後輩たちに向き合い、悔いのないようにできることを少しずつやっていこう。
そんな異常なほどホッケーが好きで、このチームが好きで集まった4年生同期とホッケーをできるのも最後の一年になってしまった。アイスホッケーが繋げてくれたそんな同期と後輩たちと共に、僕たちらしい部活を作り上げるために、
そして、木村さん、中村さん、松井さん、そして先代が作り上げた歴史ある強い東大アイスホッケー部を受け継いで、一年間迷いなく自分が走り続けられるようにここに決意する。
大きく二つ。
まず、「守りの要になること」。
自分は執行代内でAマークを与えられた。これは、ディフェンスを取りまとめる要として同期から与えてもらった。僕がすべきことは、この部を守りの面から支えることである。
もちろん、指揮を取るには自分が一番ホッケーについて知る必要があるし、自分がディフェンスの一人としてこのチームを守る必要がある。
そのためには今以上にデカい体とスピードとスキルと経験と、それらに基づく安定感を日頃の愚直なトレーニングによって培わなければならない。
また、ディフェンスのみんなには伸び伸びプレーしてほしい。相手のフォワードを自信を持って叩き潰してほしい。
またまた木村さんが登場するが、去年、木村さんは廣川と僕がベンチ内で言い争っている時にいち早く気づき仲裁に入ってくれ、落ち着けと言って背中をさすってくれた。それで、自分は気持ちを切り替えて試合に望めたことを今でも鮮明に覚えている。
そんな風に苦しい局面でこそ、全体を見渡す余裕を持って、失点してきつそうな選手には背中をさすってあげたい。プレー以外での視野の広さも身につける必要がある。
二つ目は、「憧れられる選手になること」。
まずはプレーで憧れる選手になる。未経験ディフェンスとして、こんなにも上手くなれる、と言われる選手になる。現状を見るとまだまだである。誰が見ても綺麗で早いバックスケートと、どんな相手も恐怖を覚えるボード際の圧力を身につける必要がある。もちろん、オフアイスでのトレーニングによる強靭な肉体も必要である。
また、パックを奪った後、攻めへの起点になり点数に結びつける貢献をする。
これは守りと言う自分の役割ができて初めてチャレンジできることであるが、わかりやすく憧れられるにはこれが必須である。いつまでも受動的なDではなく、危なげなく、完膚なきまでに敵のフォアードを叩き潰し、攻めに切り替えられるDになりたい。高い、高すぎる目標であるが自分を一番に期待しようと思う。
また、プレー以外の面で、一人の人間として、憧れられる選手になる。
プレーだけうまくても人がついてこないのは僕でもわかっている。人として最低限とは言わず、お手本となるような行動を徹底したい。
先輩方には本当によくしてもらった。どの先輩も心から尊敬する先輩たちで、今までの居心地のいい部活は先輩たちのおかげである。
先輩たちを見習い自分も、東大に入ってまでアイスホッケーという過酷なスポーツをやろうと思ってくれた後輩たちに、どんな形であれ後悔させない先輩でいられるようにしたいと思う。
以上が私の決意です。理想では終わらせません。
全ては今後の行動、結果で示します。この一年の邁進をとくとご覧あれ。