氷上の追憶2018 VOL.4 #97 佐藤快

副将
聖光学院 FW#97 佐藤快


 

4年間を振り返ると、思い出すのはやはり最後の一年間のことで、それはまだ直視したくない現実で、そしてあまり心地いい記憶ではない。
秋大会3部4位。この結果は変わらないものとしてあり続けるが、引退して2週間ほど経った現時点でこの結果への解釈を綴ります。
 
 
4年間通して、自分はとにかく勝つことに重きを置いてきた。
 
厳しい勝負の世界だが、とにかく勝つこと。勝利が正義。
 
それは4年間通して確かに強い思いとしてあった。
しかし人が集まると様々な意見を持つ人がいるもので、同期には全く別のことを言う人がいた。
 
「勝った負けたの先にあるものは?」
 
自分はその答えがわからなかった。そうゆうもんだと思っていた。
 
なんで勝たないといけないんだっけ。
なんのための部活だっけ。
なんのための4年間だっけ。
 
そんなモヤモヤが、チームのことを同期で話し合い始めた3年の夏くらいから自分の中にも確かに湧いてきた。
 
 
 
 
 
 
自分は運よく下手くそながら2年生の頭から試合に出ることができていた。多くの勝利や敗北を、リンクの上で迎えた。4年生になっても試合に出られない人がいる環境の中で、自分は幸運にも試合に出ている。そのような環境が、自分を勝利へ駆り立てた。
自分が勝利に疑問を持ったら、試合に出られないプレイヤーは、ベンチに入れないスタッフは、どう勝利を追い求めるのか。そんな今思えば独りよがりかもしれない「責任」を、感じ始めていた。
3年生の時の秋の大会で入れ替え戦に敗北し、3部に降格した。試合後の円陣での嗚咽を聞いて、控え室での涙が止まらない自分に気づいて。
 
やっぱり勝たないと誰も報われないのか。
幸せになれないのか。
 
そう強く感じた。「責任」を初めて自分のものとして、ありありと、大きく感じた。
 
 
 
 
 
 
そして4年生になって、チームを引っ張らなければいけない立場になった。勝利への疑問は、邪魔でしか無かった。決意表明にも「とにかく勝つ」と書いた。払拭したかった。
運営を見直し、3部圧倒優勝を目指して練習を計画し、真剣に取り組んだ。上手くいかないことだらけではあったが、勝利を追い求め、やれる限りのことはやった。
 
 
そして目の前にある結果は、3部4位。目標にしてきた試合には、すべて負けた。
3部降格の時に感じたような悔しさや悲しさは感じなかった。
勝利だけを追い求めていた自分は、この結果が解釈できなかった。
何も感じなかった。
 
そして、その後の2ヶ月は罪滅ぼしのように個人的には今まで力を入れられなかった下級生の育成に勤しんだ。
そして七帝戦でも結果を出せず、引退した。
 
 
 
 
 
引退して、過去の先輩方の追憶を改めて読んだ。
勝利で終われた喜びや、敗北で終わった後悔が綴られていた。そして自分も同じように、敗北で終わり後悔や遣る瀬無さを感じている。
 
ああ。そうか。
このチームでは、努力が正しかったか示す手段が、勝敗しか無かった。
別にこのチームに限ったことではない。スポーツなどシビアな結果が伴うものはそういうものなのか。
結果を出すことでしか、勝つことでしか、自分達の4年間の努力は正しかったのか計れなかった。入部したときのホッケーへのときめきや楽しさなどとうに忘れ、自分の頑張りを正当化したくて、責任感に苛まれて、勝利だけに執着していた。
そんなことを感じた。
 
 
勝利に執着し努力することは当然であり部員である以上その責任があると思うのは今でも変わらない。だがもっと考えながら4年間過ごせばよかった。
 
この部で頑張る意味。
この部に残せるもの。
逆にこの部から得るもの。
勝敗の先にあるもの。
 
そういった何かよくわからないけれど大切なものを、もっともっと早くから強く意識しながら過ごせばよかった。
いや確かに考えてはいたし、うんざりするほど話し合ってもいたが、結局それを勝利にうまく結び付けられなかった。そういう点でもっと考え、もっと行動すればよかった。
勝負を見据えて努力するように、何かを見据えて勝負したかった。
そうすれば最大の努力の末、どんな結果で終わっても、何かの確信を持って終われたのかと思う。
 
 
こんな感じであまりにもダサすぎる引退をしてしまった。
しかしそんな自分にも当たり前のことだがただ一つ、確信がある。
この4年間のことは、この先何度も思い出すということだ。
 
戦う強い姿勢を見せて下さった先輩方のこと。
頼りない自分たちについて来てくれた後輩のこと。
そして4年間共に過ごした同期。
関わって下さった多くの方々。
 
良い記憶ばかりではないが、このチームで過ごした4年間を、この先僕は何度も思い出し、解釈し、生きる指針にしていくと思う。それがこの部にいた何よりの意味だと思う。
 
結果を残せなかったこと、何より申し訳なく思いますが、素晴らしい4年間を共に過ごして下さった方々、支えて下さった皆様に感謝しています。ありがとうございました。今後ともこのチームをよろしくお願いいたします。
 
 
 
 
 
佐藤快

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